【プロの視点】感動を生むホテルPR動画はどう作られる?「企画書」から紐解く映像化のプロセス
- Kazuma Ishikawa
- 1 日前
- 読了時間: 5分
皆さんこんにちは、㈱impの石川です。
本日は「【プロの視点】感動を生むホテルPR動画はどう作られる?「企画書」から紐解く映像化のプロセス」についてお話ししていきます。

はじめに
一本の心に残るPR動画。それがどのようにして生まれるか、その設計図を覗いてみたいと思ったことはありませんか?
私たち映像制作者は、なんとなく撮影を始めるわけではありません。
必ずそこには、緻密な計算と熱意が込められた「企画書」が存在します。
今回は、とあるホテルのPR動画をモデルケースに、私たちがどのようにコンセプトを立て、それを映像という形に落とし込んでいるのか、その思考のプロセスを公開します。
「ただ施設を綺麗に撮るだけ」ではない、視聴者の心を掴む動画制作の裏側をご覧ください。

1. すべての土台:「コンセプト」を言語化する
優れた映像作品には、必ずその核となる「コンセプト」が存在します。
これは映像全体の方向性を決める羅針盤です。
1-1. テーマは「対外向け」と「制作チーム向け」の2つ持つ
成功するプロジェクトでは、テーマを2つの視点から設定することがよくあります。
対外的なテーマ(お客様への約束)
例:「ここに泊まれば、すべてが叶う」
パンフレットやWebで使われる、お客様に向けたキャッチコピーです。
制作チームのテーマ(現場の指針)
例:「宿泊者の追体験」
これは制作者たちが共有する「レシピ」のようなものです。「どんな映像を目指すのか」という本質がここに凝縮されます。
この2つがあることで、ターゲット(例:30〜40代の家族連れ)に対し、「このホテルなら、あなたの求める理想の体験ができますよ」と力強く語りかける映像の軸が定まります。
1-2. 「静」と「動」のキーワード設定
テーマが決まったら、それを映像の雰囲気に落とし込むためのキーワードを設定します。
おすすめは、相反する要素を組み合わせることです。
「上品さ(静)」:ゆったりとしたカメラワークで、湯気や料理のシズル感を丁寧に映し出す。
「没入感(動)」:FPVドローン(一人称視点のドローン)を使い、まるで鳥になったかのように空間を駆け巡る。
一見相反するこの2つを組み合わせることで、映像に「強弱」のリズムが生まれ、視聴者を飽きさせない構成が可能になります。
2. 映像の設計図:「ストーリーボード」で体験を描く
コンセプトが決まったら、次はそれを「物語」にします。
単にロビー、客室、風呂、料理…と順番に見せるだけでは、カタログと変わりません。
重要なのは、視聴者を主人公にした「最高の休日」という体験を描くことです。
理想的なストーリー構成(4部構成)
導入(非日常へのスイッチ)
ドローンで海や山などの自然からホテルへと迫るシーンからスタート。視聴者を日常から切り離し、「今から特別な世界へ入る」という没入感を与えます。
滞在(癒しの空間)
客室のドアを開ける瞬間、湯気が立つ露天風呂、開放的な大浴場。プライベートな空間からパブリックな絶景へと誘い、リラックスしていく過程を描きます。
満喫(特別な夜)
夕暮れのマジックアワーからディナーへ。レストランの賑わいや料理の美しさ、そして夜空を彩る花火や夜景。旅のハイライトとなる「感動」を演出します。
結び(余韻)
朝日と共に迎える朝食、そしてチェックアウト。最後にもう一度ドローンで全景を映し、「またここに戻ってきたい」という憧れと余韻を残して終わります。
3. コンセプトを具現化する「撮影技術と演出」
ストーリーボードを実際の映像にする際、プロは機材と演出に明確な「意図」を持たせます。
3-1. カメラの使い分けで感情をコントロールする
私たち(株式会社imp)が得意とする手法の一つに、機材の特性を活かした演出があります。
FPVドローン(没入感)
海からロビーへの進入や、吹き抜け空間の移動など。まるで自分がその場を飛んでいるかのような疾走感と臨場感を生み出します。
ミラーレスカメラ(上品さ)
インテリアの質感、温泉の波紋、料理の寄り画など。被写体の美しさをじっくりと見せ、落ち着いた上質な時間を伝えます。
空撮ドローン(壮大さ)
ホテルの立地や周辺環境の素晴らしさを俯瞰で伝えます。
これらを交互に配置することで、映像に「感情のジェットコースター」を作り出します。
3-2. 音と文字で世界観を補完する
BGMの選定:コンセプトが「癒し」なら、ピアノやストリングス系の穏やかな楽曲を選び、視覚だけでなく聴覚からもリゾートの世界へ誘います。
まとめ:PR動画は「施設紹介」ではなく「体験のシミュレーション」
優れたホテルPR動画とは、単なる施設の紹介映像ではありません。
「もしもここに泊まったら、どんな素敵な時間が待っているだろう?」 そんな想像を視聴者にさせ、疑似体験させるための装置です。
明確なコンセプト(誰に何を届けるか)
物語のある構成(チェックインからアウトまでの体験フロー)
意図のある技術(ドローンとカメラワークによるリズム)
この3つが揃って初めて、「行ってみたい」と人の心を動かす映像が完成します。
株式会社impでは、FPVドローンをはじめとする最新の撮影技術と、ターゲットに響く企画構成力で、貴社の魅力を最大限に引き出す映像制作を行っています。
「ただ撮る」だけではない、戦略的なPR動画制作にご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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