top of page

STAFF BLOG

スタッフブログ

【速報解説】イエローゾーンが半径1kmに拡大|空撮会社が"現場目線"で読み解くドローン規制法改正の全貌と、いま事業者がやるべき3つのこと

  • 17 時間前
  • 読了時間: 6分

こんにちは、㈱impの植松です。

本⽇(2026年3⽉24⽇)、ドローン業界にとって⾮常に重要なニュースが⾶び込んできました。


政府は、⼩型無⼈機「ドローン」の⾶⾏規制を強化するため、重要施設周辺のイエローゾーンを半径1キロメートルほどの範囲に拡⼤することなどを盛り込んだ「ドローン規制法」の改正案を閣議決定しました [1]。


私たちのように⽇々ドローンを⾶ばしている事業者にとって、これは決して他⼈事ではありません。


本記事では、単なるニュースの紹介にとどまらず、空撮会社の「中の⼈」だからこそわかる実務的な視点を交えながら、今回の法改正が私たちの業務にどのような影響を与えるのか、そして今何をすべきなのかを詳しく解説します。


【速報解説】イエローゾーンが半径1kmに拡大|空撮会社が"現場目線"で読み解くドローン規制法改正の全貌と、いま事業者がやるべき3つのこと


第1章:何が変わるのか?(ニュース解説)


まずは、今回の改正案で何が変わるのかを整理しましょう。

現⾏の「ドローン規制法(⼩型無⼈機等⾶⾏禁⽌法)」は、2015年に総理官邸の屋上にドローンが落下した事件を契機に、2016年に施⾏されました [2]。


この法律では、国会議事堂や総理官邸、原発、⾃衛隊の駐屯地、在⽇アメリカ軍の基地などを「重要施設」として指定しています。昨年末時点で、対象となる施設は計484施設に上ります [3]。


現⾏法と今回の改正案の主な違いを以下の表にまとめました。


項⽬

イエローゾーンの範囲

現⾏法

改正案

重要施設周辺の半径約1km

重要施設周辺の半径約300m

イエローゾーンでの摘発

警察官らによる⾶⾏停⽌の措置命令に従わなかった場合に摘発

直ちに摘発可能(命令不要)

イエローゾーンの罰則

1年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰⾦

6か⽉以下の拘禁刑、または50万円以下の罰⾦

レッドゾーンの罰則

1年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰⾦

変更なし



対象施設の追加



既存の重要施設

天皇や総理⼤⾂が出席する⾏事の会場、外国要⼈が参加する国際会議の施設なども、期間を定めて追加可能に




最も⼤きな変更点は、イエローゾーン(重要施設の周辺地域)が従来の約300メートルから半径約1キロメートルへと⼤幅に拡⼤されたことです。


また、これまでは警察官の命令に従わなかった場合にのみ摘発されていましたが、改正後はイエローゾーンでの⾶⾏も直ちに摘発の対象となります。


特に東京都⼼部での空撮を⾏う事業者にとって影響が⼤きいのは、千代⽥区の扱いです。


国会議事堂や皇居、⾸相所在施設などが集中しているため、今回の改正により千代⽥区はほぼ全域がイエローゾーン(⾶⾏禁⽌エリア)となる⾒込みです [2]。



第2章:なぜ今、規制が強化されるのか?


なぜ、施⾏から約10年が経過した今、これほど⼤幅な規制強化が⾏われるのでしょうか。

その背景には、ドローンの性能の⾶躍的な向上と、それに伴う新たな脅威の台頭があります。


警察庁が2025年12⽉にまとめた有識者検討会報告によると、法律が成⽴した2016年ごろに⽐べ、ドローンの性能は以下のように進化しています [4]。


  • ⾶⾏速度:時速約50キロから、現在では70〜80キロ程度となり、⼀部の海外製ドローンでは時速150キロを超えるものも登場しています。

  • 積載可能重量(ペイロード):数倍に向上し、より重いものを運べるようになりました。

  • 操縦可能範囲(映像伝送距離):⾶躍的に伸び、遠く離れた場所からでも映像を⾒ながら正確な操縦が可能になっています。


このような性能向上により、組織に属さない単独の攻撃者(ローンオフェンダー)が、遠く離れた場所から重要施設に対してドローンを使って爆発物を投下するといったテロ攻撃を⾏うリスクが⾼まっています [2]。


従来の300メートルという距離では、時速150キロで⾶来するドローンに対して警備に必要な対応時間を確保することが難しく、実情にそぐわなくなっていたのです [3]。



第3章:空撮事業者への影響(実務視点)


では、この法改正は私たち空撮事業者の⽇々の業務にどのような影響を与えるのでしょうか。

現場の視点から考察します。


  1. ⾶⾏計画の抜本的な⾒直し

これまで「重要施設から300メートル離れているから⼤丈夫」と判断していたロケーションが、⼀転してイエローゾーンに含まれる可能性が⾼くなります。

特に都市部や、地⽅であっても⾃衛隊基地や原発の周辺での撮影案件では、半径1キロメートルという広⼤な範囲を常に意識した⾶⾏計画の策定が求められます。


  1. 許可申請プロセスの厳格化

イエローゾーンでの⾶⾏が「直ちに摘発」の対象となるため、万が⼀にも無許可で⾶⾏させてしまうリスクは絶対に避けなければなりません。

対象施設周辺でどうしても撮影が必要な場合は、施設管理者への同意取得や都道府県公安委員会等への事前通報など、正規の⼿続きをこれまで以上に徹底する必要があります。


  1. 突発的な⾶⾏禁⽌への対応

改正案では、天皇や総理⼤⾂が出席する⾏事の会場なども、期間を定めて上空の⾶⾏を禁⽌できるようになります。

これにより、事前に許可を得ていた撮影であっても、要⼈の急な訪問などにより直前で⾶⾏がキャンセルされるリスクを考慮しておく必要があります。

クライアントとの契約においても、こうした不可抗⼒によるスケジュール変更の可能性を明記しておくことが 重要になるでしょう。



第4章:いま事業者がやるべき3つのこと


改正案は今の特別国会に提出され、成⽴すれば公布から20⽇後に施⾏される予定です [1]。

施⾏までの短い期間に、事業者は以下の3つの対策を進めるべきです。


  1. 対象施設リストと周辺1kmマップの再確認

⾃社の主要な撮影エリア内に、対象となる重要施設が存在しないか、改めてマッピングを⾏いましょう。半径1キロメートルの円を描き、影響範囲を視覚的に把握しておくことが重要です。


  1. 既存の⾶⾏ルート·マニュアルの⾒直し

過去に撮影実績のある場所であっても、新基準ではイエローゾーンに該当する可能性があります。社内の安全管理マニュアルや⾶⾏前チェックリストを更新し、「重要施設から1km以上離れているか」という確認項⽬を追加しましょう。


  1. 最新情報のキャッチアップ体制構築

法案の成⽴時期や施⾏⽇、追加される対象施設の詳細など、今後の動向を常に注視する必要があります。国⼟交通省や警察庁のウェブサイトを定期的に確認する担当者を決めるなど、情報収集体制を強化しましょう。



おわりに:規制強化は「業界の成熟」の証


今回の規制強化に対して、「またドローンが⾶ばしにくくなる」とネガティブに捉える声もあるかもしれません。


しかし、私たちはこれを「ドローン業界が社会インフラとして成熟していくための不可⽋なステップ」だと考えています。


ドローンの性能が向上し、できることが増えれば増えるほど、それに伴う責任と安全管理のハードルが上がるのは当然のことです。


厳格なルールが敷かれることで、悪質な違法⾶⾏が排除され、ルールを守って安全に運⽤する事業者が正当に評価される環境が整います。


私たち空撮会社は、これからも最新の法規制を遵守し、安全第⼀の運⽤を徹底することで、クライアントの皆様に安⼼で⾼品質な空撮サービスを提供し続けてまいります。


bottom of page